ブラックバード作中での異類婚姻譚 [ベツコミ]
昔話や童話でもよく登場するテーマとして、人間と、人間と違った種類の存在とが婚姻するお話は数多くあります。
それだけではなく、漫画の分野においてもよくあるお話のひとつといえるでしょう。
昔話や童話の場合は、人間と違った存在は最後に魔法が溶けて人間になったり、愛する人の前から消えたりしますが、 BRACK BIRD作中での異類婚姻譚がどういう流れをたどっていったのか、少し考えてみます。
主人公の実沙緒は子供の頃から妖怪が見える体質です。
一方の匡は天狗なので人間ではありません。
しかも、実沙緒はその体質がゆえに、妖怪に付けねらわれるということを知ってしまっています。
純粋に彼女のことを想う匡の気持ちもなかなか受け入れてはもらえません。
匡の普段の強硬な態度での愛の告白を受けていたら、素直には受け入れられないことも、もうひとつの要因であったと考えられます。
しかし、匡の愛が真実であると信じられるようになることで、やがて二人は結ばれます。
彼らの誠意も伝わり、実沙緒の両親も結婚を承諾し、ここに異類婚姻が成立。
親としての気持ちを考えたら、いくら娘が好きだからって、いくら相手が娘を想ってくれているとわかっていても、若干16歳の娘を妖怪に嫁に出すことができるものかと、少し疑問に想った方もいたかもしれません。
ただこれだけ言えるのは(現実社会でもこれだけスペックの高い男性はなかなか出会う機会さえないので)ここで両親が天狗である匡を婿として認めたことは英断だったということです。
苦難の道のりを歩む2人ですが、それでも人間同士のカップル以上の強い絆で結ばれていくのですから。
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