おおきく振りかぶって｜漫画レビュー

野球漫画というと、エースは自信満々で強気なキャラクターが多いイメージですが、この作品では、エースである三橋はよく言うヘタレキャラで、内気な少年です。

ですが、そんな性格になったのは、過去の暗い経験があったから。

その過去を払拭しようと努力する三橋や仲間達。

また、三橋の武器である制球力や変化球は、才能ではなく指にタコができるほどに日々投げ込むことで身に付けた努力の結晶でした。

その努力を知った仲間たちは、その努力に何とか応えようとします。

そんな三橋と仲間達との友情は心温まるものがあります。

自分にもこんな青春があったなと、自身の若かりし日を思い出させてくれます。

三橋以外にも、仲間たちそれぞれのキャラが立っていて、苦悩や成長する姿が描かれています。

三橋をはじめとする西浦高校以外にも、対戦校や親御さんの一人一人にも焦点を当てており、それぞれの感情描写がしっかりとしているので、各登場人物に感情移入し、ドキドキしながら読み進めることができます。

野球漫画というと野球が好きな方が読むものと思われがちだと思います。

また、「友情・努力・勝利」や、熱血指導、スポーツ根性などのイメージが強いとも思います。

「おおきく振りかぶって」は野球技術云々という点だけに着目した漫画ではなく、過去の辛い経験を乗り越えて成長する姿に共感を持つことが出来る作りになっています。

また、野球についての解説ページも設けられています。

ですので、野球好きの方だけでなく、野球に興味がない方でも楽しめる漫画ではないでしょうか。

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